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獣医師のこぼれ話

⭐自然に触れて優しく⭐

⭐自然に触れて優しく⭐

ある時、こんなことを聞きました。
ヒトは自然に触れると優しくなるそうです。
ヒトは 自然を愛し、きっと心のどこかにひっそりと自然をしまっているのです。🌱

四年前の冬、日本海でタンカー「ナホトカ号」の座礁事故がありました。多くの海の生物が被害を受け、たくさんの海鳥の救護が必要でした。
このため地元のほか道内にも苫小牧に救護施設がつくられました。
あいにくの厳冬期で、私や多くのボランティアは氷点下 二〇度以下の中、食事のことも考えず夜昼となく治療にあたりました。

弱っているとはいえ野生の動物です。
そう簡単に言うことは聞いてくれません。
ウトウ やウミスズメなど都会では見られない鳥もいます。
ほとんどが油による中毒で、貧血や重 い内臓の病気を起こしていました。

治療は専門的な知識が必要で、特殊なレクチャーを受けていないと獣医師でも手が出せない。
われわれは心身ともに疲労していましたが、お互いを励ましあって救護にあたりました。

そんな中、救護施設のある苫小牧や千歳の御婦人たちが毎日、われわれのために食事をつくりに来てくださったのです。
お礼を言うと「動物のことはわからないけど鳥を助けた い気持ちはうんとあります。直接的ではないですが、救護をしている人たちに何かをする ことで協力したいのです」と言われました。

なんとボランティアへのボランティアです。
私たちはそのことに感動してすっかり元気を取り戻し、そしてその元気を鳥たちに分けました。
その後、元気になった鳥を野生に帰すとき、その御婦人たちに鳥たちを放す役目をしてもらったのです。

あの時の御婦人たちの顔は、自分たちが鳥たちを助けたんだという自信にあふれていました。
私たちは不幸な災害を体験しましたが、この時自然を通して少し優しくなりました。

❤️😊❤️

2001/08/08(水) 北海道新聞夕刊 掲載

(斉藤聡=札幌・石山通り動物病院院長)

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