WEB予約
電話予約
診療時間
勤務医出勤表
アクセス

院長のお部屋

大地に根を張る異次元の巨木――マダガスカルのバオバブを訪ねて

マダガスカルと聞いて思い浮かべるものは何でしょう? 横飛びをするワオキツネザル、歌でおなじみのアイアイ、そして独特なシルエットを持つ巨木「バオバブ」。なんとなく名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

私は観光で訪れたわけではないため、華やかなツアーや豪華なホテルの写真はありません。しかし、あの有名な「バオバブ街道」を通りがかる機会に恵まれました。

以前もお話しした通り、マダガスカルの道路はかなりの悪路。西端の街・モロンダバにあるバオバブの地へ陸路で向かうには、相当な苦労を伴います。けれど、そんな難儀な道のりを経て、絵本から飛び出してきたかのような本物のバオバブを目にした瞬間――そのあまりに異次元な光景に、言葉を失い、圧倒されました。

まずは、その姿をご覧ください。

不思議に満ちた「水分を蓄える巨木」

「バオバブ」という名前の語源は、実ははっきりとは分かっていません。 世界には9種のバオバブが存在し、そのうち実に6種がマダガスカルの固有種です。

この木には年輪がありません。幹の内部は緻密な空洞のようになっており、乾季を迎える前に10トン以上もの水をたっぷり貯め込んで休眠します。

夕陽の静けさの中のバオバブ。学術的には「木」に分類されないとも言われる不思議な植物ですが、最も古いものでは樹齢2500年に達することが科学的に証明されています。

それほどまでに永い歳月を生きてきた崇高な木ですが、残念なことに、観光客によるいたずら書きが多数残されている光景も目にしました。これには、ただただ胸が痛むばかりです。

朝陽が照らす、バオバブの今

朝陽に照らされるバオバブの姿は、息をのむほど神秘的です。

しかし、この美しい木々や土地も、開拓によって枯れてしまったり、一部では荒れ放題になっていたりと、環境破壊の波にさらされています。

白く可憐な花と、不思議な実

バオバブは、11月から2月頃にかけて白く可憐な花を咲かせます。私が訪れた時期はあいにく開花期ではなかったため、花を見ることはできませんでしたが、現地で実を探して買ってきました。

大きさは20cmを超えますが、持ってみると驚くほど軽いです。

殻を割ってみると、中はカサカサとしていて、まるでマシュマロのよう。鼻を近づけると、ほんのりと甘い香りが漂います。

このパサパサとした果肉の中に、少しだけ種が入っています。  自然界では、この種(タネ)が雨期を迎えて芽を出すまでに何年もかかるのだそうです。そのため一部の保護区では、植樹のために苗の栽培が行われていました。最近では日本でも、園芸用として栽培されることがあるようです。

おわりに

空に向かって力強く、まるで根を広げているかのようにそびえ立つバオバブの木。 この唯一無二の光景が失われることなく、これからもずっとマダガスカルのシンボルとして大地に根を張り続けてほしいと、心から願っています。

おすすめ記事
旧院長ブログ