私は動物病院で犬や猫以外の生き物も多く診ているので、動物種により飼育上、家庭ではいろいろな都合があることを感じています。
そこでこんな飼い主さんの話をしましょう。
ある日、Sさんが大変深刻そうに相談の電話をかけてきました。
「何を困っているのでしょうか」と尋ねると、Sさんは「お風呂(ふろ)に入れないんです」と言うのです。
人?何? それと私の仕事とは無縁に思えるのですが・・・。
そこで、Sさんから詳しく話を聞きました。
休日に家族で札幌近郊の藻岩山にハイキングに行ったときのことだそうです。
登山道を「少しはずれたところで小休止をしていたら、小学生の娘さんが突然、「キャー」と叫んで 腰を抜かしたそうです。
娘さんは足元に変わった模様の石を見つけ拾おうとしていたのですが、その石が勝手に動いたのです。
変だなあと近づいてみたら、なんとそれはヘビの「頭」でした。
チョロチョロ舌を出していて、さらになんと草むらに体長が四メートル近くもあるニシ キヘビがいたというのです。
そしてとても物好きなこのSさん、この大蛇をかついで家に 持ち帰ったのです!
でも家にはこの動物を飼育するスペースはなく、それでこの大蛇はお風呂 (ふろ)場で一泊することになりました。
その後、ずーっとこの大蛇はおうちのお風呂場で飼うことになり、当然、飼い主? はお風呂に入れず、家族全員で銭湯通いをしているとのことでし た。
それにしてもこの大蛇、捨てる人あれば拾う人ありで、何とも不思議ないきさつでし た。
えっ私の返事? それは内証です。
ちなみにSさんはヘビが大の苦手だそうな・・・。
(斉藤聡=札幌・石山通り動物病院院長)
2001/07/11(水) 北海道新聞夕刊 掲載
#蛇
#珍事件
#動物病院
#ニシキヘビ
#動物飼育
#動物愛
#拾う神あり